＊エトセトラ＊

お昼休憩、久しぶりにモカと一緒に飯を食ったあと。

木陰にあるベンチで2人一緒に過ごしていたら、いつの間にかモカは寝てしまっていた。

ここ最近、徹夜でレポートを仕上げていたようで、寝不足だったらしい。


どうりで今日のモカはボーッとしていたわけだ。


もちろん、疲れているモカを起こすつもりもなく、そのまま寝かせている。

別に話さなくても、ただ、こうして一緒にいるだけで満足だ。

モカが隣にいれば、それだけでいい。





…………が。



このまま、大人しくいることはできなくて。


何も抵抗されないのをいいことに、モカの肩を抱き寄せ、額にキスをした。


普段は「そ、外だからっ…！」と恥ずかしがって、すぐに離れようとする。

その様子は、可愛い反面、結構不本意だ。

はぁ。いつになったら慣れてくれるのやら。


でもまぁ、求めすぎるとモカがパンクしてしまうのは学習済みだ。昔からそうだった。

おろらく、俺が本能のままに動いてしまうと、モカはぶっ倒れてしまうんじゃないだろうか。これでも、あらゆる我慢で自分を抑えている。


触り心地のいいモカの柔らかな髪を指に絡ませながら、そんなことを考えていた。



チラリとモカの寝顔に目をやれば、まだ気持ちよさそうに眠っている。


……連れて帰りてえな。


そんな思いが頭をよぎり、その柔らかな頬にキスを落とした。


相変わらず幸せそうに眠るその寝顔にさらに加速してしまいそうになるが、なんとか思いとどまる。


モカが起きてたら、「外だからっ！」と怒られているかもしれない。


自分の行動に、つい苦笑してしまった。



こうしていると思い出す。

高校時代を。


まだモカと付き合う前、モカが欲しくて欲しくてたまらなかった頃のことを――…。