あの人が好きで。
「・・・で?何?」
「こ、コレっっ!」
黒のハンカチをわたした。
「え・・・あぁ。どっかに落ちてた?」
「あ、お母さんが拾ったみたいです・・・。」
ずっとアタシは下を向いていた。
「・・・なぁ。」
網谷さんの少し怒ったような怖い声。
なんか怒った?!
「っ、ひゃぃっ!」
「なんで下ばっかむいてんの。」
「え?!」
網谷さんはアタシの顔を大きな手で上げる。
「話すときは人の顔、見ようよ。」
網谷さんの手が、アタシの頬を包んでる。
温かい・・・。
大人な手だけど、すごい。
アタシは網谷さんの目を見た。
吸い込まれてしまった・・・。