あの人が好きで。



「・・・で?何?」




「こ、コレっっ!」



黒のハンカチをわたした。



「え・・・あぁ。どっかに落ちてた?」



「あ、お母さんが拾ったみたいです・・・。」



ずっとアタシは下を向いていた。



「・・・なぁ。」



網谷さんの少し怒ったような怖い声。



なんか怒った?!



「っ、ひゃぃっ!」



「なんで下ばっかむいてんの。」




「え?!」



網谷さんはアタシの顔を大きな手で上げる。



「話すときは人の顔、見ようよ。」



網谷さんの手が、アタシの頬を包んでる。


温かい・・・。



大人な手だけど、すごい。




アタシは網谷さんの目を見た。



吸い込まれてしまった・・・。



< 14 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop