さぁ、跪いて快楽を乞え!
「何も六法全書をさらに乗せたくらいで倒れる事は無いでしょう?」

「お……お前なぁっ!」

「弱音を吐く気力があるのでしたら、もう一冊重ねましょう」

と、橘が本棚からさらに本を取出し、薫を立たせる。
そして手にしている広辞苑を乗せようとした。

「やめろっ!! 本当にキツいから!」

「女性ならばもっと乗せたままもっと高いヒールを履いて移動できますよ」

「嘘だっ! そんなの聞いたことないぞ?!」

「女性が男性にそんなことを話してもどうにもならないでしょう?」

「……本当なのか?」

「えぇ。何かの書物で読みましたよ?」

「俺が嘘を吐かれるのが嫌いだと知っているか?」

そう問い詰められ、舌打ちする橘。そう、勿論あの話は嘘だ。

「お前が舌打ちするなぁぁぁああっ!」
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