さぁ、跪いて快楽を乞え!
「日舞でも習ったら如何ですか?」

「文化祭のためだけにそんな面倒なことするか」

「文化祭のためだけに私が貴方に『女らしい仕草』を教えている方が面倒なのですが」

いかにも「不満有りげ」な表情を作り、薫に言葉を吐き捨てる。

「……お前は俺の執事だ」

「ですが私は日舞の先生ではありません」

「お前なら大丈夫だ」

「何を根拠に仰られてるんですか」

「俺の勘だ」

考える様子も無く、すぐに「勘だ」と言い切る主人。そんな直感的なものは明確な根拠ではないでしょう……。

「だから馬鹿だと言われるんですよ」

「うるさい。褒めてやったんだ。有難く思えよ!」
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