犯人ゲーム



「なんで僕と望美は向かいあって横になってるんだ?」


「単純に一番これが楽だったからだねぇ」


「楽?」


「怪我人を見るのには自分の隣に置いといた方が楽ですのょ」


「は?」


怪我人?


望美は顔に掛かった髪を耳にかける。


こめかみ付近の髪の毛の生え際がかすかに覗く。


「覚えてなぃんだね。よーいちってばこーじに足撃たれて、そのまま気失ったじゃん」


足を、撃たれて…。


急激に記憶が湧き上がる。


フラッシュバックする光二との対峙。


「痛っ!?」


瞬間、強烈な足の痛みが襲ってきた。


「動かないでぇね、っと。一応ネクタイで止血はしたけどさ、応急処置でしかないからさ」


確かに、感覚として足に何かが巻きついているのがわかる。


それは直接肌に巻きついていて、しかし陽一はしっかりズボンをはいていた。


つまりーー。


「しゃ~ないよねぇ。応急処置だもん」


ーーズボンを望美に脱がされたって事か。


< 120 / 154 >

この作品をシェア

pagetop