【完】君の笑顔
「ここなら話せるでしょ?」
僕は長椅子に座り、突っ立ってただこちらを見ている岡本さんに座るよう長椅子を叩く。
「何その偉そうな態度」
その様子を見て眉間に皺を作る岡本さん。
偉そう……って、そんなつもりでは無いけれど。
ただ、座るように促しただけで。
「じゃあそこに立って話すの?」
聞けば
「……座るけど」
と拗ねたように言って大人しく隣に腰を落とす。
……外に出たいからか話を聞いてほしいからか分からないけれど。
あまり反抗せず嫌そうな顔をしながらも素直に僕の言うことに従う姿は可愛いかも。
頬が緩む。
いつもこう、言うことを聞いてくれて素直でいてくれたらいいのに。
「で、あんなに必死に外出許可欲しがってたけどどこに行きたいの?」
レモンティーを飲み始めた岡本さんを見ながら、僕から話を聞こうと切り出した。