君にキス
『あちぃな…汗かいた。』


パタパタと手を泳がせて温度調節をする。

季節はまだ5月…汗をかいたのにはちゃんとした理由がある。


俺の家から逃げ出して迷子になっていた愛猫(クルミ)を探して公園へと足を運んだら…

敵対している組の人間に見つかり喧嘩を吹っ掛けられた。

相手がバカだったため喧嘩ですんだ。


本気の奴が相手の場合…タマ(命)の取り合いが始まる。


まぁ…勝つ自信あるけど?


『俺に喧嘩で勝ちたいなら…倍の人数連れてきな』

「ミャア~」


俺の腕の中で、俺の言葉に同意したかのようにクルミが声を上げた。
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