光の姫は何を見る
引っ張られてるのがわかるようなズルズルという音がする。


また引きずられてる!?


「茶々木さん! 何をしてるんですか!?」


まさかなことに茶々木さんに抗議をしてみる。


だけどそれは無駄に終わる。


「白原さんが自分一人では動けないみたいなのでその手助けをと思いまして」


茶々木さんは平然とそう答える。


「頭痛くなるのに自分から行く訳ないでしょう」


「それでも貴女は行かないといけないのです」


「なんでですか!?」


「それが貴女の成長になるからです」


あたしの食いつきにも淡々とした口調で答えていく茶々木さん。


確かに力を使いこなしたいって言ったのはあたしだけどさ。この扱いは酷いよ。


「白原さん。そんなに嫌そうな顔しないで下さい。貴女の力の覚醒には光の姫に会わないといけないんですから」


ボソッとそう呟くと茶々木さんは部屋をガラッて開いて部屋にあたしを放りなげた。


光の姫に会わないといけないってどういうこと?


あたしは放り投げられながらも、茶々木さんの口から出た言葉について考えていた。




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