たった一人の親友へ
その日の夜

1ヶ月振りに隆也から電話がかかってきた

隆也とは別れてからも1ヶ月に1回は連絡を取り合っている

もちろん友達として




「久々~!元気か?」

「元気元気。隆也は?」

本当は全然元気じゃないけどね…




それからずっとあたし達はたわいのない話をしていた

隆也は半年付き合ってた彼女と二週間前に別れたらしい



「でも何か色々吹っ切れた感じだけどね!!」

そう言って笑う隆也の声はすごく寂しそうだった



「隆也。会って話したいことがある。今から会えない?」



自分でも、その時何でこんなこと言ったのか分からない

話したいことって友香のこと?

高校のこと?

それとも



翔のこと?




「どうした?大丈夫か?
今どこ?俺そっち行くから。」


「今、家。」

「分かった。今から行くから待ってて」


切られた電話の音が心に響く


あたしはまた隆也を利用するんだろうか


自分でも制御しきれない心の動きに


あたしは戸惑っていた







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