たった一人の親友へ
学校帰り

あたしは友香の病院に寄るのが日課になっていた

その日も隆也と駅で待ち合わせて、友香のいる病院へと向かった

隆也は一生懸命友香に話しかけてくれて

本当に心からありがとう、って思った


友香が入院して10ヶ月

最近は自分から少しずつ話してくれるようになり

時々笑顔も見せてくれる

この前なんて突然

「お姉ちゃん。ごめんね、友香のせいで。
友香ちゃんとがんばるから。」

なんて言い始めるから

隆也と友香の前で号泣しちゃった


母は友香の回復の遅さに耐えられなくなったのか

最近は病院にすら顔を出さない


お医者さんやカウンセラーの先生は「そろそろ病状も回復してきたし、精神的にも大きな変化は見られないので」と退院を勧めてくれるけど

あたしはあの家に友香を帰したくなかった


そのことで頭がいっぱいで

一人で悩んでいると

そっと手を差し伸べてくれるのは

やっぱり隆也で


あたしはそれを胸に刻んで

決して翔のことを思い出さないようにしていた



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