たった一人の親友へ
一瞬頭が真っ白になった

何日振りかに聞く翔の声


「お~い!聞こえてる?」


「あっ。うん。ちょっと待ってて。」



隆也にはちょっと友達が来たからって誤魔化す

翔とは言えなかった

言っちゃいけない気がした


扉を開けると

そこにはあたしの大好きな笑顔があった


「よっ!久しぶり。
何で電話出なかったんだよー?」


そう言いながら家に上がろうとする翔を、あたしは押さえ


「今、友達来てるから。」


「へ?誰?」


「別に誰でもいいじゃん。」


「何だよ、それ。誰?」





「…。
隆也・・・」



長い長い沈黙があった





「隆也ってあの隆也先輩?」


「・・・うん。」


「はっ?別れたんじゃないの?
何それ?聞いてないんだけど。」


「だって言ってないもん。やり直したの。隆也と。」


「は?何?やり直した?

お前あんだけ泣いといて、結局やり直したわけ?
都合よすぎんだろ。男の方もお前も。」







カチンときた

翔のせいなのにって







そこからは何を言ったのかあんまり覚えてない

多分ひどいこといっぱい言ったんだろうなって




だってあたしが話し終わった後の翔の顔は

すごく悲しそうに見えたから






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