泪の花。

誘拐!?

3学期、卒業式や入学式の準備であっという間に時は過ぎて…


いつの間にか、4月。



気付けば、春休みは遥か後方で手を振っていた。


「春休み、どこにも行けなかったね」



と少し、イヤ大分ガッカリしている朔來。


私は、その方が都合がいいのだが…


何故か胸騒ぎがしてならない。


ザワザワと胸の奥が騒ぐのは、一年生にチヤホヤされているアイツのせいなんかじゃない。



アイツのせいなんかじゃない…


アイツの…



“キャー海斗先輩!!キャーこっち向いて下さい!!”



『うわっ!!鬱・陶・し・い!!』


「どうしたの?いきなり…あっ、電話だ…春ちゃん、うん、え?………行く!!」




なんでこんなにイライラするのだろう…



そうか、ストーカーの癖に変態の癖に…


周りを騙しているからだ!!


そうに違いない!!



畜生、あの…変っ態め…



「初美ちゃん!!5月の連休空けといて!!絶対よ。必ずよ!!」

と、大きな声で言われ…ビックリしてイライラしていた事も吹き飛んだ。


いきなり近距離で凄い顔して迫る朔來に、なんで?

と質問する事も出来なかった。
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