泪の花。
「初美?」


『うわっ!!』


いきなり視界に飛び込んできたから、変な声が出てしまった。



「まるでお化けでもみたみたいに驚くなよ。どした?よく眠れなかったか?」



『ううん、眠れた。』



「初美ちゃん、朝は低血圧だからテンション低いのよ海ちゃん」



そう言いながら、朔來はアクビをしている。



「そっか、ならいいけど。」



と私をジッと見る。



その目には、私の心が全部見えてしまうような気がして視線をそらした。



ご飯が出来たよと咲坂君が、運んでくる。



朔來は先に着替えてくると部屋へ行った。


咲坂君も朔來と一緒に食事を取るから、食器を洗ったり片付けをしている。


テキパキと家事をこなす姿を見ながら、女として何もしなくていいんだろうか?



と落ち着かない気分だった。


「春の事なら気にするなよ、アイツ家事とかすんの好きだからさ。」



考えていた事を当てられて驚いた。



座って食おうと促すコイツ、バカだけど鋭いなと思わずにはいられなかった。
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