深想シンドローム


どうやらB組だけが集合してないらしい。

元々問題児が集まるクラスだから、先生たちも呆れながら腕を組んでしかめっ面。


ざわざわと煩いグラウンドで、あたしはしきりに辺りを見渡してみる。


と、その時。




「すんません、遅れましたー!」


悪びれる様子もなく、間延びした声がどこからか聞こえた。

その声のする方に視線を向けると、そこに居たのはもちろん。



「西くんっ!」

「あれ、ミーコちゃんも走んの?」

「そうなのー!あたし足遅いのに、」


…じゃなくて!

何あたし普通に喋っちゃってんのよっ!


「あはは、何かミーコちゃんらしいね~。」


西くんは前髪をちょんまげに結え、準備体操なのか手首、そして足首を回してる。

これがまたちょんまげが似合うから恐ろしい。


余裕そうに笑う西くんに、あたしはすかさず訊ねた。



「西くん、今までどこ行ってたの!?」

「え?俺?」

「てか、ミチルくんは!?」


そう訊いた瞬間だった。

先程までとは比べ物にならないくらいのざわめき。


聞こえるのは、黄色い声。



そんな声にかき消されるように、西くんはあたしの背後を見て呟いた。



「あ、来た来た。」






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