深想シンドローム


自慢じゃないですが…。


あたし、望月 深子は“恋”をしたことがない。

というよりも、“恋”を知らないんだ。


好きになる、って何?

それが明日香ちゃんやヒナちゃん、ちづちゃんを好きだという感情とどう違うの?


そもそも、“好き”に違いなんてあるの?




そう尋ねたあたしに、明日香ちゃんは言った。



「全然違うよ。好きっていうのはドキドキしたり、胸が痛くなったり…、」

「胸が痛い…?」


何それ。
ビョーキじゃなくて?


「例えば、相手のことを考えるだけで涙が出たり…、」

「涙が出るの!?」


えええ!?
恋って悲しいの?


「でも、すんごく楽しいし幸せなキモチになったりするんだよ。」

「…何だか疲れそうだね…。」


楽しかったり、悲しかったり

幸せになったり、胸が痛くなったり。



そんな感情がいっぺんに訪れるなんて、恋って大変だ。


大体、何で好きになるんだろう?


相手のこと何もわかんないのに。

そんなに辛い思いしてまで、何で?



…うーん、やっぱりあたしには恋なんて無理っ!





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