深想シンドローム


バタバタと廊下を走り抜け、昇降口で靴を履き替える。


そこでようやく、息を吐き出した。

「はぁ~…。」


つい、逃げ出して来ちゃった。

でもあれ以上話を聞いていられなくて。


だって、ホモって!

ヤルってーっ!!!


いくらあたしでも、その意味くらいわかる。

ヤル=エッチだってことも。


でもでも!

エッチって言ったら、あれでしょ?


男と女が裸で…。

む、無理!無理ムリーっ!



いくらそれが子孫繁栄の為であろうともっ!



「ダ、ダメだ…。」

これ以上考えてたら、頭から煙が出てきそうだ。


とりあえず、水やりして雑念を振り払おう。

そんでもって花に癒されよう。


気を取り直し、花壇のある裏庭へ歩き出す。



だけど、まさかその先で

噂の彼と遭遇してしまうなんて。



…思いもしませんでした。






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