深想シンドローム


あわあわとするあたしを尻目に、明日香ちゃんは西くんに訊ねた。


「…で?これはどうゆうことか説明してもらえる?」

「どうゆうって?」

「だからっ!この署名よ!これ!どう集めた訳!?」

「そうよー!ヒナたちだって頑張ったのにぃっ!」


興奮した様子で署名を叩く明日香ちゃんとヒナちゃん。



…そうだ。

言われてみれば、この数の署名を集めるのは並大抵のことじゃない。


あたしたち4人でさえ、96件しか集められなかったんだもん。



すると西くんは「あぁ、」と呟き

「簡単なことだよ。」

と笑った。



「…簡単?」


そう訊き返したあたしに
「うん」と頷き、西くんは言う。



「俺、他校に結構知り合いが居てさ。んで、そいつらに頼んでうちの高校のヤツらに代わりに頼んでもらったんだよ。」

「代わり、に…?」

「そう。誰だって知らないヤツに頼まれるより、知ってるヤツに言われれば署名しようと思うでしょ?」

「…そっかぁ!」



だからあたしたちじゃ集まらなかったんだ。

言われてみれば確かに知らない人に頼まれるより、友達に頼まれる方が署名する気になるよね。


西くんすごいっ!




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