王国ファンタジア【氷炎の民】ドラゴン討伐編
「あんさん……」
絶句する彼女にサレンスはあっさりと言い放つ。
「嘘だ。私はサレンス、氷炎の民だ。お嬢さんはどなたかな?」
「わしは雷電の民クラウンや。よろしゅうな。……っやなくて、ちっこいのが必死に探しとったで」
「レジィのことか」
「そない自己紹介しとったな。年の割りにしっかりとした坊や。また変な女の人についていってしまったんじゃないかとか心配しとったな」
「信用ないからな」
さらりと返された言葉に、クラウンと名乗った娘は口の端を吊り上げた。
「あんさん、ちっこいのに聞いた印象とちゃうな」
「ああ、あれか、女好きな手のかかる人?」
「せや、ってあんさん、わかっとってやっとるん?」
「ああ。あの子にはもうしばらくそう思わせておいた方がいい。しかし、女好きというのはほんとうだよ、お嬢さん」
にこやかに笑いかけるサレンスを撥ねつけるように娘は答えた。
「クラウンや」
ぴしりと跳ね返ってきた言葉に気を悪くした様子もなく、むしろ面白げにサレンスは蒼い双眸を瞬いた。
「顔を見せてはくれないのか」
「しゃーないなあ」
クラウンはフードに手を掛けた。
絶句する彼女にサレンスはあっさりと言い放つ。
「嘘だ。私はサレンス、氷炎の民だ。お嬢さんはどなたかな?」
「わしは雷電の民クラウンや。よろしゅうな。……っやなくて、ちっこいのが必死に探しとったで」
「レジィのことか」
「そない自己紹介しとったな。年の割りにしっかりとした坊や。また変な女の人についていってしまったんじゃないかとか心配しとったな」
「信用ないからな」
さらりと返された言葉に、クラウンと名乗った娘は口の端を吊り上げた。
「あんさん、ちっこいのに聞いた印象とちゃうな」
「ああ、あれか、女好きな手のかかる人?」
「せや、ってあんさん、わかっとってやっとるん?」
「ああ。あの子にはもうしばらくそう思わせておいた方がいい。しかし、女好きというのはほんとうだよ、お嬢さん」
にこやかに笑いかけるサレンスを撥ねつけるように娘は答えた。
「クラウンや」
ぴしりと跳ね返ってきた言葉に気を悪くした様子もなく、むしろ面白げにサレンスは蒼い双眸を瞬いた。
「顔を見せてはくれないのか」
「しゃーないなあ」
クラウンはフードに手を掛けた。