境界上
.


「げ―っ、ユイ!
昨日は蓮のトコじゃなかったんだ」


目ざとい。

というか“鼻”ざとい、ね。きっと。

我が妹ながら、どうしてこう相も変わらず早速洗面台に現れるなり気付くのだろう。


「……ブルガリじゃ不服だっての?」


「別にそういう意味の“げ―っ”じゃないけど」


“けど”。

そしてこの、ミオの“まだまだ言い足りないんだけど”と言わんばかりの空気なんて。

このままの流れで行けば、これから滅入らされる予感しかしない。


「だったらそれ以上言わなくていいわよ」


「でもさぁ、大丈夫なの~?
どうせ同じ会社の人なんでしょ、そのブルガリ男も」


「だから……」


「ややこしくならないワケ?
こんな身近で浮気なんかしちゃって」


だ、か、ら!
それ以上言うなって言ってんでしょうが!


(私に“浮気”なんてチープなカテゴリー当てはめないでよ!)




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