境界上
.


この流れにはどうあっても納得がいかない。


私が今ここに戻って来ているのはあくまで着替えの為だけであって。

決してミオと戯れる為ではない。


……こういう場合、手段は選ばず手っ取り早く済ますに限る。

(流石に2日連チャンで仕事に支障を来すわけにもいかないのよ。)


「……ミオ、アンタ実家に戻りたいワケ?」


「あ~そうだった!
コーヒー入れてる途中なんだっけ!」


我が妹ながら、何とも分かりやすい反応だ。

いきなり話題転換したかと思うと、そそくさと洗面台からキッチンに走り込んでいく。


「“お姉様”の分もきちんと入れておきなさいよ」


念には念を。

この勢いに乗じて、ミオの“お節介病封じ”に上下関係を知らしめる命令を抜かりなく下す。


「喜んで~っ」


愛想良好なミオのソプラノ。

どうやら今日はスムーズに仕事が出来そうだわ。


とりあえず自分の保身確保が確定したところで、小さな溜め息を一つ零した。




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