crystal love
録音は、
そこで、うまく
切れていて


間違ってはない事も含めど、
根拠のない大暴言を
吐き出していた。


まずい・・・


「全部、精算したぜ。
こっちは。」

悩める思考を、
ジェイドの声が停止させる。

「オンナも。
エージェンシーも全部。

実力はあるよ。
足りないのは、語学だけ。

あんたの仕事だぜ?これは。
俺のセンセだろ?

ここまで挑発しておいて
できねーなんて、
言わせないぜ?」


自分の顔が、
血の気をなくすのが判る。

・・こ・・・この男

おそるべし。


「それだけ喋れたら・・・
問題ないと思うけど。」

「俺は完璧主義なんだ。」

彼は飄々と言う。


「それに」


もう、続けないで・・・


「俺が、『オンナ騙して
テキトーなオトコ』か、どうか、
あんた、自分で確かめてみなよ。」


それが、一番、
嫌なんだって。

綺麗なオトコは、鑑賞用。
係わるもんじゃ、ない。

「確かめない。
信用する。」

即座に言った言葉の先にも、
奴は釘をさす。

 



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