僕は君のもの


約束したのに。


すっごい楽しみだったのに。


浴衣も買ったのに。



「わかった。」



小さく呟いた。


唇が尖るのが自分でもわかる。




そのままケータイの電話帳を検索する。




「もしもし?恭ちゃ~ん?
美紀もね、行きたかったの。花火大会。
うん。わかったぁ。
楽しみにしてるね!!」




ケータイを閉じたら重苦しい沈黙が広がった。




「男?」




一瞬、それが美紀に対して発せられていると気づかなかった。




「美紀にだってデートする相手くらいいるもん。」




直ちゃん、今なにを考えてる?






< 157 / 245 >

この作品をシェア

pagetop