僕は君のもの
「ふ~ん。」
さっきと同じ。
重苦しい空気。
低いトーン。
先に約束やぶったのは直ちゃんなのに。
「花火…見たかったんだもん。」
本当は直ちゃんと。
その言葉は飲み込んだ。
「帰る。」
そんな言葉が代わりに出た。
なんでだろう。
ただ今は直ちゃんと一緒にいたくない。
そんなこと思うなんて初めてだった。
だけどこのままじゃ無意味に直ちゃんのこと責めちゃいそうで怖い。
美紀の汚い部分をさらけ出しちゃいそうで怖い。