僕は君のもの
妙な沈黙が続いた。
「…俺、毒見役?」
違うよ!ただ美紀が食べれなかっただけだもん。
「食べてみる?」
「いいの?」
人にあげた物を貰うって気が引けるなぁ。
とか思いつつ手を伸ばした。
だけどその手首は直ちゃんに掴まれて、美紀の口の中にはほろ苦いチョコの香りが広がる。
「…うまいだろ?」
そっと唇を離した直ちゃんが美紀に囁く。
味なんてわからないよ。
なんでキスなんてするの?
ねぇ、直ちゃん…。
離れようとする直ちゃんの首元に抱きついた。