アリス逃走中
「!!…誰だっ!」
アリスが呟くと、どこかから声がした。
アリスは辺りを見回すが、誰もいなかった。
「そこじゃないよ?」
「じゃあどこだよ!」
アリスが姿を現さない声に苛ついて声を荒げた。
アリスが舌打ちをした瞬間、カサッという音が後ろからして振り向くと…
───見たこともない男が立っていた。
「おっ、お前いつの間に!!」
「さっきからずっといたよ」
「はぁ?…どこにも─」
「木の上だよ?気付かなかったんだ。」
男がクスッと笑った。
男をよく見ると、顔はよく見えないが確かに頭に猫のような耳が付いていた。