アリス逃走中
ガシャンッ
割れたカップの破片が手に刺さり血が手から流れた。
「…バレてたのね」
王様ははぁと大きな溜息をついた。
「でも…きっと彼なら私の願いを叶えられる………」
王様は消えそうな小さな声で呟いた。
流れる血が床に真っ赤な水溜まりを作った。刺さった破片を抜くとさらに血が流れた。傷は思ったよりも深かった…
しかし王様は全く動じない。顔色が少し悪くなり、血が流れ過ぎた為に少し気分も悪くなった。
――……私が死ねばアリスは幸せになれるのかな?
そんなことを考えながら割れたカップを片付けた。