On The Wind
1-Bの教室へ辿りつくまで、何回か勧誘の声がかかったが
とりあえずスルーしてやっと辿りついた。
「あ、秋元先輩」
さすが恋する雪乃。
好きな人センサーがすぐ働き、愛する人を瞳に捉える。
「やばい、めっちゃ緊張してきたぁぁ」
ぎゅっと私の腰に巻くカーディガンを握る。
そんな間もなく、
「いらっしゃいませ、2名様でいいかな?」と、別の先輩に声を掛けられ、
私と雪乃は声を合わせ「はい、そうです」と答えた。