On The Wind


その時の秋元先輩の言葉は、


「ありがとう、すごくうれしいよ。・・だけど、その気持ちには答えられないんだ」



今でも、耳の奥に焼き付いている。


私に向けた言葉じゃなくとも、
今まで一緒に同じ道を歩んできた雪乃が、愛する人から初めて貰った言葉。


確かにそれは、思い描いていた言葉ではなかったけど。



それから、校内で会うたびに、愛嬌ある笑顔を雪乃と私に向けてくれた。


ただ、それは雪乃がもう一回挑みたいという気持ちを萎えさせてもいた。


このままの関係でもいいんじゃないか。


この先輩と後輩の壁、友情の壁を乗り越えなくてもいいんじゃないか、と。




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