大空の唄

直球 -AYANE-

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「とーじょーせんぱーいっ」


廊下の先に見える先輩に
ありったけの声を振り絞って叫ぶと


ぴくっと肩を揺らした先輩は
不思議そうな顔でこちらを振り返った


「せんぱーい!!」


再び叫びながら廊下を全力疾走


髪が乱れるとかそんなことは
全く気にならなかった


「絢音か」


先輩の目の前まで来ると
先輩は可笑しそうに笑いながら


誰かと思った、そう付け足した


頷きながら荒れた呼吸を整える


「びっくりしたよ
つか、叫びすぎだろ」


恥ずかしいんだけど、そう言って
周りを見渡す先輩の視線を追いかけると


周りの人がぽかんと口を開け
こちらに注目していた


あ…


さすがに不味かったかな?
そう思ったのは思っただけで


お騒がせしました。と
とりあえず頭を下げた


「すみません」


「別にいいよ
お前は相変わらず面白いな」


再び先輩はニコッと微笑むと
あたしの胸がドキッと高鳴る


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