大空の唄


「で?」

「へ?」


突然の切り返しに
間抜けな声が漏れる


「へ?じゃねーっつの

何んか用?」


あぁ!そうだった


危うく大事なことを忘れかけていた


「今週の土曜日
暇じゃないですか?」


別に特に意識している訳じゃないけど
あたしはチワワのような目で先輩を見る


「暇…だけど?」


その言葉を聞いた瞬間
心の中のあたしは思わず
大きくガッツポーズをした


「ライブ行きませんか?

SONG OF SKYの!!」


「えっまじ?
取れたの?チケット」


はい、と言ってチケットを
取り出しヒラヒラさせると
先輩は目を輝かせた


「しかも、センターの最前列
一番良い席ですよ」


「嘘だろ?どうやってそんな
良い席取ったんだよ?」


かなり興奮している先輩は
目を大きく見開き揺れるチケットを
目線だけで追いかけた


「ひみつです
行きますか?」

「もちろん行きます」

「カズさんもどうですか?」


横で唖然としていたカズさんに
ニコッと微笑む


「俺もいいの?」

「はい、4枚あるんで」


そう言ってもう2枚チケットを出すと


じゃあ遠慮なく、カズさんはそう言って微笑んだ

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