大空の唄
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次の日…


責められることを覚悟していたのに


先輩は昨日のことには何も触れないで


いつも通りだった


次の日もその次の日も先輩は
あたしのあの行動なんて気にもしてないみたい


言われるのも嫌だけど
何も言われないのも罪悪感が増す


本当に何も気にしていないのか


敢えて言わないのか


忘れてしまっているのか


一体なんなのか先輩の考えが
あたしには全く分からなかった


分かるわけないよね…
自分の気持ちも分からないあたしに…


そして自分の気持ちにさえ答えが出せないまま


それどころか考えれば考えるほど
思考回路の闇に引きずり込まれる


そんな負の連鎖が未だ進行中


何度も翔くんに電話しようとして
途中で諦める


ただでさえ感じていた翔くんと陽くんと、蒼空との距離間も


どんどん開いていく


モヤモヤした何かの正体も分からない


あたしの気持ちを置き去りにしてただ時だけが
相変わらずのスピードで進んでいった


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