大空の唄



そして長いようで短かったような
そんな2ヶ月は明日で終わりを迎える


『絢音ちゃん!!
明日帰るからね

帰ったら空んちでパーティーしよー』


携帯から聞こえた声はハイテンションな陽くんの声だった


「うん!するー」


電話越しなのについ首を縦に振ってしまう


久しぶりの蒼空の家
久しぶりのみんな……


それだけでもうあたしの胸は高鳴った


『お土産いっぱい買ったから
楽しみにしててね』


「えっ!本当?
今すごく楽しみになった」


えへへと笑う陽くんの姿が
電話越しでも見える気がする


『おい!陽
俺にも変われよ』

『えーヤだ!
いつも翔ばっかじゃん』

『いいから変われ』

『嫌だー!!』


気が付けば電話の向こうは大騒ぎ


こんな時間がずっと続けば幸せだと思う


些細なことで喜怒哀楽する


そんな当たり前な日々が…


フラれたくせに幸せなんて
あたしどうかしてる


でも、これは素直な気持ち


気が付けば年は明けもうすぐ
暖かい春が訪れようとしていた

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