大空の唄


「バカは蒼空でしょ!?

何自分一人で全部抱え込もうとしてるの?

空は一人じゃないんだよ

翔だっている、陽だっている
それにあたしだって…」


そういうと蒼空の振り払う力が一気に緩んだ


「何か聞いたのか…?
あいつらから」


あたしは相変わらず強くしがみついたまま小さく頷く


「全部、聞いた」


そう小さく告げる


「どこからどこまで?」


「最初から最後まで」


「絶望した?」


絶望?そんな…


「するわけないじゃない」


そんなことで絶望するほどあたしの蒼空に対する思いは軽くないよ


「お前も裏切るんだろ?」


「裏切ろうと思うならわざわざ
こんなことしないよ

あたしは蒼空を信じてる
だから蒼空も…「無理」








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