大空の唄
「一方的な愛だって送り続ければいつか伝わる
あたしがみんなの愛に気付いたように」
確信はないけど直感でそう思うんだ
「だから今は信じられないなら無理に信じなくていい」
あたしは勝手にでも蒼空の傍にいるから
ふわっと、柔らかい蒼空の髪が揺れた
みんながしてくれたように
次はあたしが暗闇で迷子になってしまっている蒼空に愛を送る番なんだと思う
あわよくばその愛に気付いてほしい
そう、少しだけ思ったりした
ぎゅっと背中に回した手に一度力を込めて
ゆっくりと力を緩めた
「それだけ、言いたかったの」
小さくごめんと謝罪してあたしはいつものように笑った
「ごめん」
蒼空も小さくそれだけ言った
その言葉に込められた意味は分からないし聞くこともできなかった
「もう大丈夫だから出よっか?」
ただそう言うことしかできなかった
今蒼空に言葉を求めるのはなんか、違う気がして
あたしは何て言ったって結局蒼空のことを信じて傍にいる以外
出来ることはなくて…
やっぱりいつになっても不器用なんだ