大空の唄


"嫌い"そう言った蒼空の表情が一瞬曇った…気がした


「嫌い…なの?」


蒼空の顔を覗き込むように尋ねると


「嫌い」


冷たい視線と言葉が帰ってきた


そ…そんなに、嫌いなんだ…


思わず息を飲むぐらい、冷たい視線に捕えられた瞬間、一気にその場の空気が重たくなり呼吸をするのも忘れそうだった


「何で、そんなに…「言っただろ?作り笑いは嫌いなんだ、見てると虫唾が走るんだよ、あいつら…」


言葉を遮られ、あたしの身体は、さらに硬直する


それ以上聞くな、蒼空はそう付け足すと固まるあたしを見て大きくため息を漏らした


「は、い、」


その瞬間、縄が解けたかのようにふっと力が抜け身体が軽くなった


確かに蒼空が作り笑いをする所どころか、笑顔すら見たことがない



どうして、そんなに作り笑いを嫌うのか、そう聞きたかったけど



蒼空を見ているともうこれ以上何も聞かない方が良い気がして結局それ以上の疑問をぶつける事は出来なかった…


< 38 / 378 >

この作品をシェア

pagetop