大空の唄



「それに……」


まだ理由があるのか?


少し間を空けて再び口を開いた翔を俺と陽は食い入るように見つめる


普段へらへらしているコイツにこれ以上正論を言われると精神的にキツいし


もうこいつが何を考えているのか想像も出来ない


俺は息を飲んで翔から出る言葉を待った


「絢音ちゃんかわいいし」


「はぁ?」


調子乗ってかっこいいこばっか言ってたと思えばもういつもの女好きに逆戻りかよ


期待してた訳じゃないけど期待外れという言葉が一番良いかもしれない


睨み付けると翔は「わりぃ わりぃ〜」と笑いながら呟いた


悪い何て思ってねぇくせに


俺は呆れてソファーから立ち上がる


飲み物でも買いに行くか…


そう翔に背を向けた時だった


「あの子なら……!


直感だけど、絢音ちゃんなら


俺らの孤独も悲しみも痛みも過去も今も
全部受け入れてくれる気がしたんだ


なぁ…お前も、そう思わねぇ?」


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