そのときは。

「なんか、溜まってたもの全部言って、スッキリしちゃった」


『ほんとう?よかった』


明るさを取り戻しつつある、あたしの声に、ユウもどこか少し嬉しそう。





「ユウ、本当にありがとうね。もし今日ユウがメールくれなかったら、ずっと中途半端なままだった」


今少しだけ、落ち着いていられるのは、きっと彼のおかげ。





「今度、お礼に何かごちそうさせてね」


『いいけど酒はもう程々にしろよー。ツブれても看護してやんねぇからな』


「ちょ、あたしそんな酒癖悪くありませんーっ」


彼が楽しそうに笑うから、あたしも口から笑みが溢れた。





少しだけ、まぶたが重い。

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