クールな王子様
2人のやりとりにクスクス笑っていたら、望月に気づかれた。
「…唯璃、なんで笑ってんの。」
「うっ?!い、いや!!何も?!」
声が低いよ!!
こわいよ!!
王子じゃないよ、もう!!
「あのさー、君らいつまでギューしてんの。」
そう男子の声が聞こえて、素早く横を向いた。
…!!
ガ、ガン見されてる?!!
てか、そうだよ!!
なんでまだ私抱き締められてるんだよぉお!!!
私は無言で望月の胸元を押して、離れようとした。
さっき、言葉じゃダメだったし。
「だめ。」
グッ
「うひゃ?!」
また、強く抱き締められた。
なんで?!
だ、だめって、なんだよぉお!!
男子が私たちを指差してあわあわしだした。
…また?
「宮比が…っ!!お「うるさい。」
…早いな、望月くん。
男子が、少ししゃべり始めただけなのに。
「なんだよ、もう!!どんだだけじ「うるさい。」
おぉ!!早い早い。
「だぁああ!!しゃべらせろー!!」
まともにしゃべれない男子は…、最終的に叫んだ。
…かわいそうに。
「はぁー…で、君なんていうの?」
「…はいぃ?!わ、私ですか!!」
いきなり、ふられたぁあーー!!!
「お、驚かすなよ…。」
あんただから。
って、この人颯と同じだな…。
驚かしたの、あなたですから!!
「…唯璃、だよ。」
頭の上から望月がそう言った。
私が言わなきゃダメじゃない?
「あー…と、神山唯璃です。」
「へぇーっ!!よろしくー!! 俺、白崎由輝でーすっ!」
テンション高っ!!
えーと…、しらさき…?
違うな〜。
「しろ、さき…くん?」
「由輝でいいよ、神山ちゃん!!」
か、神山ちゃん…?
「唯璃でいいよ?」
「あー…まぁいいから!!」
変なの。
という感じで、
由輝くんと友達になりました〜。