sweet lovers B【BL】
 何気なく自分の机にチョコを置き、少し離れた弓香の机にミルクティーを置いて戻ってくると――成都がチョコの入っていた袋を開けていた。
 ひとが貰ったものを勝手に、とは思ったが、どうせ自分じゃ食べないんだ。
 成都に食わせようと思っていたから、丁度良い。

「成都、ソレ……」

「清治」

 俺の言葉に被せて、成都が俺を呼んだ。

「勝手に開けてごめん」

 急にしおらしく謝ってきた。
 成都らしくない。

「いいんだ。俺、チョコは食べないから……」

「チョコじゃないよ」

 言われて中身を確認すると、箱にはチョコではなく、タオルとカードが入っていた。
 バレンタインはチョコだけじゃないのか。
 そんな風に思いながらカードを袋から拾い上げると、告白の言葉と名前が書かれていた。
 これを、見たのか。
< 28 / 46 >

この作品をシェア

pagetop