ー雪女郎ー 雪洞と凪
吉原






お涼も凪が、吉原の人間だったと言うことは知っていた。







周りから見れば、その女性を正室として迎えたことに、遺憾だったろう。







現に凪は、多くの人から中傷を受けていた。








しかし、凪はそれに怯むことはなかった。








大名の姫よりも多くの教養を身につけていた凪。









誰よりも美しい正室と言われた凪。








時がたつにつれ、そんな彼女を認めざる得ない人間も出てきた。









そして、奥女中達にどんな陰口を言われても、前を見続けた凪は、いつしか様々な人間の尊敬の的となったのだった。










「わたくしは・・・あの場所で過ごした日々を、誇りに思っていますもの。」
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