さよなら(短)
「悪い!宮守さん!」
宮守さんの右側を通り抜けて
那緒を追った。
「えっ!嶺く…」
本当、ごめんね。宮守さん。
でも俺、チャンスあるみたいだから。
那緒が泣いてくれたら
少しは期待しちゃうんだよ。
那緒は俺の数十メートル先を走る。
「…那緒っ!」
なんでこんな足速いんだよっ!
呼んでも那緒は足をとめずに走る。
その涙の訳を教えてよ。
那緒が俺を好きじゃなくても
良いから。
だから
本当の那緒を見せてよ。
「那緒っ」
那緒が特別棟の階段に差し掛かった
とこでやっと俺は那緒の腕を掴んだ。