キミが好き




案の定、ウサギの人形を受け取った朱里の目は一気に輝いた。



「嘘!?これくれるの?」


「ああ」



「あたしに?」



「ああ」



ヤッター、とピースする朱里に照れる山田。



うわ、なんかやべー。



ここまで素直に喜んでもらえるとは思ってもいなかったようで照れまくっている。



「あれ?青はなに?」



頭に?を浮かべる朱里に、


「お、…そろだよ」



むにゃむにゃとお揃いだと言う山田は可愛い。



「うっそー!?山田とお揃い?やだー」



なんて言った朱里に、山田が文句を言いながらも幸せそうに笑っていた。



「可愛いー、山田っぽい」


「じゃあ、こっちは浜野」



2人はなんだかんだでお似合いなんだ。



可奈も奈都も、親友の幸せを嬉しそうに眺めていた。


だから、みんな気づかなかったんだ。



山田の本当の気持ちに。



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