キミが好き
「進歩、か…」
山田もちょっとはあたしのこと…女として見てくれたりしたのかな?
「そうだよ!進歩だよ?」
「…うん」
「あーもう!朱里…なんか違う!…前まではちょっとしたことで喜んでたのに。」
今は全然楽しくなさそうだって。
山田を本当に好きなのか、わかんないって。
可奈はそう言って、戻っていってしまった。
ちょっとしたことで喜んでた、か……
確かに、前はちょっとしたことで嬉しくなったり。
楽しくなったりしてた。
傍にいれればいいって思ってた。
でも、山田には大切な人がいるんだもん。
きっと、いつかお前なんかいらないってなっちゃうんじゃないかってそう思うと。
山田を自分だけのものにしたいって。
あたしだけを見てほしいって。
いつの間にか、欲張りになってた。