傷だらけの僕等
「『モノ』ってそういうことかって。
何も感じない、感情を持たずに言いなりになって、体だけ提供する。
もう人間として扱われないってことなんだって…

でも、最初は抵抗した。
嫌だったから。
その行為そのものもだけど、初めては好きな人が良かったから。
そんなわけで、気持ちの中でも抵抗があったし…
だから何より体が先に抵抗した。

その時、初めて殴られた。

でも敵うわけもなくてあたしの体はその日に汚れた。」


中学1年で…
この世の絶望を見たと、彼女は言っていた。
少し、その瞳に悲しみが見える。


「それから始まった。
たとえ夜中でも、叩き起こされてあいつに汚される。
殴られ続けて、あたしの体は抵抗を止めた。
代わりに、人に触られるとびくつくようになった。
それはあいつに触られても変わらなかったけど、あいつはそれが逆にそそるとか意味のわからないことを言ってた気がする。

あたしの体がびくつくようになってから、あいつの性癖は余計に狂った。」

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