傷だらけの僕等
ガラにもなく焦っている先生に思わず口元が緩んだ。


「何笑ってんだよ?」

「先生が焦るの珍しいなって。」

「あー…って朝飯の邪魔してごめん。」

先生はパッと手を離す。


あたしはちょっとまだ笑ったまま。

だってあんなに焦った先生を見たのは初めてで貴重だし。


今日は和食。

先生は結構朝ごはんを食べるからご飯は少し多く盛る。

「ん…んまい。」

「良かった。」

この会話の繰り返し。

先生は毎回「んまい。」って言ってくれる。

これが今はもう当たり前になってるけど、あたしはいちいちすごく嬉しかったりする。

先生はきっと気付いてないだろうけど。

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