傷だらけの僕等
* * *


先生を送り出して、スーパーが開いてから10分ぐらいたった頃に出かける。

たった6分の、平たんな道のり。

だったはず。


本当に…はずだった。


少なくとも、3日前にあたしがここを通った時、

あいつはあたしを待ちかまえてなんかなかった。

なのに…




「久しぶり、理沙子。
こんなところにいたんだ…
探したよ。」


あたしの背中にすっと冷たいモノが走る。

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