傷だらけの僕等
でももう違うんだよ。

一度、「ヒト」扱いされたあたしは前には戻れない。

それを今更ながら悟る。

先生に人間にしてもらったあたしは

もう「モノ」には戻れない。

もう…戻れない。


あいつはあたしの腕をぐっと掴んだ。


「少し…お前は調子に乗りすぎている。
いい加減分からせないといけないな。
あいつの元でどんな生活をしてきたのかは知らないがお前の本来の生活はこっちだ。
それを分からせてやる。」


そう言ってあいつはあたしの服に手をかけはじめた。


あたしは振りほどこうともがいた。

だけど当然敵うわけもなくて、あたしの抵抗は全く意味をなさなかった。

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