7時12分。
第三章
ちょうど、電車にのれば席がきれいに3人分空いていた。
座る並び順は、私・勇治・インテリ君だった。
今朝もインテリ君と同じ電車だったけど、その時は知らない者同士。
だけど、帰りの電車では知り合いになっていた。

「和弘は、高校になってからこの町に引越ししてきたんだ。」
「そうなんだ!和弘君は、今までどこにいたの?」
「父親の仕事の関係で5年間イギリスにいたんだ。和弘じゃなくて、カズでいいよ。向こうでもそう呼ばれてたし。」
「カズ…君。」
「そのかわり、琴美って呼んで平気?」
「う、うん!」

にやけてしまいそうになる自分を必死に止めていた。
インテリ君のいろんな話を聞けた。
勇治とインテリ君は同じクラスで出席番号が前後というのがきっかけで仲良くなったらしい。
イギリスにいたから語学の成績は完璧だとか。
なんで、あの時は単語帳で勉強なんかしてたんだろう。
30分という時間で、私達は仲良くなった。

「じゃあね!」

と、改札で二人にお別れをした。
でも、インテリ君には

「また、明日ね」

と、心の中でバイバイをした。
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