イケメン倶楽部
「馬子にも衣装…やな。」
「何よそれ…!!」
ひっど…
あたしはどうせ馬子ですよーだ!
爽に向かって舌をだして、睨んでみた。
でも効果はなし。
「あー…せやせや。俺はこんな暇人に付き合っとる暇はないんやった。」
「暇人じゃないし!」
「とにかく寄って行きや。」
腕を強い力で掴まれる。
あたしの小さな抵抗なんてものともせず、1‐Bの教室へと連れ込まれる。
「お客様一人来店やでー!」
「いらっしゃいませ……葵?」
「ど、どうも…」
頭を上げたクラスの皆はしばらくポカーンとしていた。
そんな皆にあたしは苦笑いで答えるしかない。
「あっ、葵だぁ♪」
さっき窓から手を振っていた愁がこっちへと寄ってくる。
相変わらず抱きつく癖は抜けないみたいだけど…
でも皆が変わってないみたいでホッとした。