イケメン倶楽部
「さぁ、葵。」
「な、何よ…」
愁があたしの前に跪いて、手を差しだしている。
「手を出して。」
普段とは違う声色に思わず胸が高鳴ってしまう。
手をそっと差し出すと、少し冷たい愁の手が包んだ。
「行くよ。」
「ど、どこに…?!」
「どこって…学園?」
学園ってまさか…
「大丈夫。先輩にはバレないようにするから。」
無邪気に笑うその笑みに、背筋が震えた。
バレないようにってことは…
バレたら危険ってこと。
「葵、先輩がいなくなって寂しいんでしょ?だったら、尚更やらなくちゃ。」
憂いを帯びたその瞳にあたしはただただ頷くしかなかった。